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研究発表
平成22年度心身障害児等の療育に関する研究助成報告概要
心身障害児総合医療療育センター研究報告書
心身障害児総合医療療育センター
所長   君塚 葵

本研究が4年目となる平成22年度の研究報告書をお届けします。現場に直結した日常での活動からの5つの部門による研究報告です。各報告の概要を以下にとりあえずまとめました。本報告が皆様に役立つものとなることを願っています。



1.「ミニミュージアムの創設をめざして」 
  -療育の歴史に関する研究-
医務部     君塚 葵

高木憲次初代園長の遺品の整備、展示品の目録作成、養護学校の創生期をめぐる活動、全国肢体不自由児施設運営協議会など関連分野についての展示コーナーの設置を通して、温故知新に沿った療育の発展に寄与することを目的とした研究である。

昨年に引き続くもので本年は、「センターミニミュージアム」の看板を作成した。現在のミュージアムの概要の一部を整理し、別添の写真集・主な書籍資料で概要を示している。田代義徳初代東京大学整形外科教授の記録集から始まり、高木憲次先生の遺稿や記念品を中心に紹介した。さらに、小池文英先生の業績や第3代の坂口亮先生、前日本肢体不自由児協会会長津山直一先生、元医務部長・副園長の五味重春先生等に関しての記録、その他ポスターや記念写真などを展示している。最近50周年を迎えた板橋区肢体不自由児者父母の会ならびに筑波大学桐か丘特別支援学校の祝辞を今回掲載した。

このミュージアムは途上のもので今後、更に充実を図ってゆく予定のものである。



2.「抗生剤の皮下投与に関する研究」
薬剤科     海老原
小児科     米山明、北住映二
城西大学薬学部 椎名さゆみ、大嶋繁、小林大介

乳幼児への抗生剤投与法として、手技が容易でより安全な方法が模索されてきているが、以前の筋拘縮症の副作用に鑑み、組織を刺激することのない内容である必要がある。昨年の研究で血中濃度は、皮下注の方が静脈内投与よりも、高くかつ長時間存在していることが確認された。血流低下状態では一層、その動態が亢進していた。今回、セフメタジム(モダシンr)の皮下最適投与の条件を求める。同時に、乳酸菌製剤中のセレン含有濃度を測定し、現在使用中の院内製剤の代替となりうるかを検討する。また、ジアゼパム坐剤よりも九州速度の大きいジアゼパム直腸製剤の開発とミタゾラム坐剤の開発、新たな爪白癬治療薬、治療方法の検討を目的とした研究である。

今回、モルモット血流低下モデルを用いたセフタジジム皮下吸収速度の検討では、注入量のボリュウムの増加は吸収面積の増加を通して、吸収増大が大きくなっていた。

さらに、吸収促進法を種々に検討している。温湿布・メタン湿布では2時間意向に血流の上昇が確認された。超音波照射では、局所の温度の上昇をみずに、血流の増加が確認されている。

  静脈内投与の代替として、皮下投与が有用であることが推察されたが、苦痛を与えない範囲では、両者の併用が適当であると予想された。



3.重度心身障害児例の「大声の問題」を軽減できる視覚的環境設定の
効果について
リハビリテーション室作業療法科 佐々木 清子、上村和代、小平俊介

脳炎後遺症の14歳男児が大声を出すことに対して家族は精神的な困難さを抱えていた。本人の声が小さくなるためにどのようなことができるかを、作業療法の個別場面から検討し、家族とも話しながら、家族が心地よく過ごすための道具や環境設定を工夫することにした。本児は、聴覚刺激に対し大声を出す傾向があること、視覚刺激に対し注目し静かになる傾向がそれまでの個別での評価から観察されたため視覚的な機器や環境設定を工夫することによる効果について検討した。

大声を出すのは、夕方から就寝までであり、数分から20分ほどのもので近所への懸念・家族同志での会話ができないとの状態について、視覚的機器と環境での状況を含めて、ビデオ撮影によりデータ収集を行った。

80〜90デシベルという音量は、工事現場の騒音に匹敵する1)2)。80デシベル以上では会話が困難,90デシベル以上で会話不能とされている1)。家族がこういった中で生活することの大変さを知ることができた。家族が使いやすいもので、声が静かになる物ということで、視覚的な機器を用いた。

視覚的な機器を使った結果から、本児の大声は静かになった。しかし、約5分を経過すると大声を出すようになっており、これは視覚刺激に慣れたことが影響していると思われる。しかし、家族の感想では、15分くらいは静かになっていると言う感想があり、これらが介護負担の軽減につながることで、同じような介護上の問題を持つ家族への支援のヒントになると考える。



4.「母子入園された母子の言語・コミュニケーション面での支援ニーズ」
ST 田中伸二

最近母子入園(4〜8週間)を利用された43組(3歳未満が69%で、脳障害が80%)を対象として、入園目的、言語発達状態と指導項目などを調査した。

入所目的では緊張・姿勢・運動に関するものが58%(重複あり)と最も多く、食事に関すること30%、転換睡眠など生活健康面の改善23%、遊びや楽しみに関すること9%となっていた。言語発達状態では、言葉無しが91%であり、単語レベル4%、文レベル5%であった。感じることや楽しみを増やしたいが46%ともっとも多く、言葉が出て欲しい25%、目が合わない・やりとりが成り立たない11%、表現手段を持たせたい9%等となっていた。指導内容としては、楽しみの提供・欲求目標作り、代替伝達手段の獲得支援などであった。母子入園の第一の目標が総合訓練でもあり、言語として特化したものではなく、チーム全体として母子を支えるなかで、STの専門性が関与すべきことが浮かび上がっている。 



5. 「医療ニーズの高い乳幼児を対象とする在宅支援」
看護科  市原カツ子
通園科  三浦 幸子
指導科  栗原 美和

医療ニーズの高い乳幼児を育てるかぞくへの支援として通園療育チーム看護スタッフがどのように配慮すべきかを、2005年4月から2010年3月までの5年間に当センター通園科に在籍した就学前の児への母子支援の内容をもとに、分析を加えている。その結果の基本は多様なニーズに対する、多様な支援による個別のきめ細かな継続的なものであった。

利用された児は脳性麻痺を中心に広範な疾患をもっており、の半数以上にてんかん発作があり、約4割で経管栄養チューブを使い、首の坐りがないが約6割を占めていた。

健康維持・改善の項目としては、睡眠のリズム、活動と休養のバランス、呼吸を楽な物にする、リラックス状態を多くする、適切な姿勢を保つなどであり、これらのために母親との協力を得ながら、看護の役割を広汎に求めている。そのための方法として、看護相談を月1回設けている。その主なテーマは食事の工夫、口腔内衛生管理、暑い時期のしのぎ方、便秘対策、感染への注意、予防接種についての考え方、救急救命法、災害時の対応、お母さんの健康相談、兄弟サポートなどと多岐にわたっている。個別相談では医療、日常生活、整形外科的な問題などが大きな内容となっていた。さらに、これらに入らないその他の支援について、通園前、在園中、退園後に分けて全体的な支援を行っている実態を明らかにしている。



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