所長挨拶
ご挨拶
心身障害児総合医療療育センターは、社会福祉法人日本肢体不自由児協会が国の土地・建物を使用して運営している、国立民営の総合的な医療療育相談機関です。
当センターは、沿革のページにあるとおり、様々な紆余曲折を経ながらも開設以来長年にわたり時代の要請に応えて、肢体不自由をはじめとする種々の障害のある子どもたち・成長後の大人の方々に対して、センター概要のページにあるような幅広い活動を行ってまいりました。昨年(令和4年)には、創立80周年を迎え、記念事業として「高木憲次記念ミュージアム」を開設いたしました。(詳細はこちら)
これらをまとめると以下のようになります。
肢体不自由をはじめとする様々な障害のあるお子さんたちや成長後の大人の方々が地域・学校・施設内でより良く開かれた生活を送ることが出来る様、関係諸機関との幅広い連携の下に、当事者・ご家族に様々な療育・支援・助言等を行うこと。
日々の療育・支援の取り組みを改善するために工夫や研究を重ねること。
日々の実践、工夫や研究の成果を国(厚生労働省)の委託を受けた研修研究事業として、療育講習会を実施、全国の療育関係者に広く伝えること。
そして、これらの活動を通して全国の療育関係施設の療育活動のレベルアップを図り、日本の障害福祉行政の推進に貢献することが今後も変わらない当センターの 核心的な使命であると言えます。
しかし、令和2年初頭から3年以上に渡った新型コロナウイルス感染症の世界的大流行によって、関係諸機関の多職種連携に基づく利用者・ご家族への多面的な支援という、今までの療育の在り方には大きな制約が加えられました。また、研修研究事業も感染拡大を防止しながらの実施となったために開催形態を大きく変更しました。その結果、当センターの運営・諸活動も多方面にわたり大きな影響を受けました。
そのような中でも、ご利用者・ご家族、センター周辺の地域の方々をはじめとして、多くの関係諸機関、企業、団体の方々から、様々な形でのご支援や励ましを頂き、役職員一同の励みとなりました。厚く御礼申し上げます。
令和5年5月には、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の取り扱いが5類に変更され、今後社会生活も色々な面で回復していくことが期待されております。しかしながら、ウイルスそのものの性質が大きく変わるわけではないことから、当センターにあっては、重度・重複の障害があるために罹患した場合に重症化リスクの高い方が多く利用されていることを考慮して、基本的な感染予防策を継続せざるを得ないと考えております。もうしばらくの間、利用者をはじめ関係の皆様には、ご不便をお掛け致しますが、ご理解・ご協力をお願いいたします。
今般のパンデミックを含めて、センターをとりまく社会・経済情勢の変化や新たな科学技術の出現により今後提供しうる療育サービスのあり方・研究の方法などは絶えず進歩・発展させていくべきものと考えます。この変化をおこすためには、厳しい財政事情と高齢化社会の中で施設運営にはますます困難さを伴って来ているとは言え、組織に一定の体力をつけることが必要です。
令和5年4月には、こども家庭庁が設置され、日本における包括的なこども政策が進められようとしています。
私たちも新しい時代の療育の在り方を追求し、障害のある子どもたち・成長後の大人の方々とご家族の医療・福祉・活動・社会参加の増進に貢献してまいります。 今後とも関係者の皆様よりのご理解・ご協力・ご支援を賜るとともに、ご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。
心身障害児総合医療療育センター 所長 小﨑 慶介